クラウド移行において、多くのIT担当者が直面するのが「どこまでが自社の責任か」という境界線の曖昧さです。私は長年、官公庁や大企業の現場で、この「責任共有モデル」の落とし穴を見てきました。本セクションでは、単なる規格の文言解説ではなく、実務に即したセキュリティの勘所を紐解きます。
特に、クラウド特有の付加的管理策であるISO 27017の視点から、マルチテナント環境におけるデータ隔離の論理的証明や、特権ID管理の自動化など、設計段階で組み込むべき「攻めの防御」を解説します。「設定一つで世界中にデータが公開される」というクラウドの恐怖を、どうすれば「高い信頼性」へと転換できるのか。AWS SAPとしての知見と、現場での修羅場経験を交え、監査を通すための書類仕事ではない、システムを守り抜くための本質的なセキュリティの知恵を共有します。