DarkHorse という本を読んでえらく感激しました。この本には、vucaな時代をどうやって生き抜くかの指針と共にちょっと泣かせる話も出てきて、ためになった!
カテゴリー: 本
クララとお日さま
カズオ・イシグロの「クララとお日さま」を読みましたが、よかった。
題材もAIロボット、格差社会、遺伝子操作とか今時でおおきなテーマを読者に投げかけている。特に合理的であるAIロボットであるクララが、非合理的な人間を理解していく過程が、逆に人間って何?と考えさせられます。
現在の格差社会っていうのは、所得の大小にかかわる格差で、まあ3世代もたてば解消されていくかもしれないが、遺伝子操作による人間の能力が累積されていく格差の場合、サピエンスの分断が起き、遺伝子操作により、環境により適した人間が繁栄をきわめる可能性があると想像すると、恐ろしい。逆に分断されたサピエンスの時代では、唯一論理的(倫理的)判断ができるのは、クララのようにAIロボっトである可能性すらある。
是枝裕和が帯にコメント寄せていますが、ぜひとも映画化をしてほしい本です。
企画が通らない
日頃、企画なるものを作っても、関係各部署の協力が得られず没になること多いです。戦略を語る本にはやれフレームワークだの、ビジネスモデルだの、ベストプラクティスだの紹介されてますが、そんな論理的で事でない理由で、企画が通らないことってよくあります。
そんな時、読んだのが「外資系コンサルタントの企画力」っていう本(金巻隆一)これは地味なこと言っていますが、ほんと納得します。組織には感情があるってことやそもそも企画するってどうゆうこと?なんてことが説明されています。特に企画通すコツはその内容を練るよりも 周囲を説得する局面でのものの方が多いと言っています。そのとおり!フレームワークやビジネスモデルより、いかにすれば周囲の協力を得ることができるかのノウハウがより重要だと強く思います。
デジタルトランスフォーメーション
ベイカレント・コンサルティングという会社の人たちが書いたデジタルトランスフォーメーションという本を読みました。これ一冊でいいんじゃない?最近のIT業界で起きていることがすべて網羅しています。デザイン思考やオープンイノベーションやリーンスタートアップ等いい感じでまとまっています。
特筆すべきはデジタル組織への転換という章でデジタル戦略を支える組織の在り方が何パターンか紹介されていることです。今までSE崩壊だのIT部門飛ばしだの言ってましたが、そんな後ろ向きのことは一切書かず(考慮せず)一気にあるべき姿であるデジタル戦略組織はこうだ!と言い切っているのがいいです。まあコンサルの人たちの書いた本なのであるべき論から入れるのかもしれませんが、やはりそれはそれですっきりします。データを利用したサービスを作るあるいは作れる組織を作るにはバイブル的な本になると思います。よくまとまってて何度も読み返そうと思います。
こころの定年
「こころの定年」を乗り越えろ 楠木新 という本を読みました。この本によるとどうも実年齢の定年(60歳)を迎える前にたいていのサラリーマンは何かしら組織で働くということに限界を感じ「こころの定年」を迎えるらしい。たしかに私の場合も50歳くらいからこのままでいいのかな?とか思っていた節はありますね。この本の中で、
社会とつながる力=X(自分の得意技)*Y(社会の要請・他人のニーズ)
という方程式みたいなのが出てくるのですが、これは気になる。ここで社会とつながる力というのは、サラリーマンが独立してフリーランスとしてはたらく力と言い換えると
フリーランスとして働く力=X(自分の得意技)*Y(社会の要請・他人のニーズ)
となりますが、サラリーマンは組織の中の歯車になり下がっているため社会の要請や他人のニーズがわからず独立してもうまく行かないというのです。
私が思うにXの方も問題が...自分の得意技も今じゃ古くて使いものにならないので、ニーズのある得意技を再構築するところからはじめないといけなくなりそうです。
1億総バッタ時代
1億総バッタ時代 有本周平著 という本が面白いので紹介します。表紙のバッタがスターバックスを連想させ、かわいいです。今のサラリーマンはバッタみたいに虫かごに入っているので飛び出そうと言う趣旨の本なんですが、飛び出してまあネットビジネスしましょうというストーリになっています。ネットビジネスをする際のWEBマーケティング的なことががわかりやすく書いてて参考になりました。
カイジの気付き
ITコーディネータなんかの研修で、経営者に気付きを感じてもらえればいいみたいなこと言われます。これピンときませんが、マンガ「カイジ」のなかで伊藤カイジはいろんなことに気付いて成長していきます。たとえば
1.システムの構造に気付く(システムの構造)
2.行動の裏にある心理に気付く(行動心理)
3.組織の仕組みに気付く(組織論)
なんかです。マンガですが、ITの研修で単に「気付き」の重要性を説明されるより、よりリアルで説得力があります。例えば「気付く」ということを意識的にトレーニングしていないこんな言葉が発せられます。
1.なんかいろいろやってんのにうまくいかないんだよな!
2.なんかお客が急に怒っちゃってわけわかんない!
3.なんでそうなったかわかんないが、企画が通らない!
これよくサラリーマンが居酒屋で話題にすることですよね。ITコーディネータとして、この「気付き」ということを意識してコンサル力を磨いていくことにしたい。
カイジ名言集
マンガはあまり読みませんが、何かの拍子に福本信行の「カイジ」にはまりました。人生生きていくのに参考になるわこの本は!ということで、好きな名言集を
1.明日からがんばるんじゃない・・・
今日・・今日だけ、がんばるんだ!
今日がんばった者・・今日がんばり始めた者にのみ・・
明日が来るんだよ・・!
この言葉、まさに仏教的だ。仏教では明日を恐れるな・・過去を悔やむな・・今を生きろ!とか言われますがそれに共通する考え方です。今のこの場を一心不乱に必死に生きる覚悟、それだけでいいんだと励まされます。
「カイジ」名言集は、一息つく感じで紹介したい。
SEは死滅する
木村岳史氏の「SEは死滅する」を読みました。本のタイトルからよくあるSIヤー崩壊の話かなと思って読んで行くとSIヤーより、ユーザ企業のIT部門が先に崩壊するという気がしてきました。実際、今の大方のIT部門は運用保守窓口っぽくなっていて、SIヤーも業務のわからないIT部門を相手にしないで事業部を相手にし始めています。こうなるとSIヤーよりユーザ企業のIT部門の方が先に崩壊する。
でまあ考えるに、ビジネスに直結したシステムを事業部が直接作るのと、IT部門が作るのでどちらが成功率が高いかと考えるにそりゃやっぱり事業部でしょ。だからSIヤーも事業部に営業に行ってシステムを作ろうとするので、そりゃIT部門のやることなくなるから、IT部門はいらないよと言われちゃうという構図です。
最終的にSIヤーのSEもユーザ企業のIT部門のSEも死滅するのなら、早めに現状からトランスフォームできるIT部門のSEに期待したい。