カズオ・イシグロの「クララとお日さま」を読みましたが、よかった。

題材もAIロボット、格差社会、遺伝子操作とか今時でおおきなテーマを読者に投げかけている。特に合理的であるAIロボットであるクララが、非合理的な人間を理解していく過程が、逆に人間って何?と考えさせられます。

現在の格差社会っていうのは、所得の大小にかかわる格差で、まあ3世代もたてば解消されていくかもしれないが、遺伝子操作による人間の能力が累積されていく格差の場合、サピエンスの分断が起き、遺伝子操作により、環境により適した人間が繁栄をきわめる可能性があると想像すると、恐ろしい。逆に分断されたサピエンスの時代では、唯一論理的(倫理的)判断ができるのは、クララのようにAIロボっトである可能性すらある。

是枝裕和が帯にコメント寄せていますが、ぜひとも映画化をしてほしい本です。